改正貸金業法の完全施行
2010年6月 5日
日本貸金業協会のテレビCMが流れ始めました。
自己の借金を家族に内緒にしている専業主婦の方が、このCMで初めて改正を知り、
ビックリして事務所に相談に来られるケースが徐々に増えてきた気がします。
私も1度しか見ていませんので詳しくは覚えておりませんが、
専業主婦の方に対する貸し付けは、配偶者の同意が必要だというものが含まれていた気がします。
さて、そのCMの内容ですが、改正貸金業法完全施行についてのものです。
平成18年に公布され、これまで段階的に施行されてきた改正貸金業法が、
いよいよ今月18日に完全施行されます。
まずは改正点の主なところを挙げておきます。
≪ 貸金業者への規制の強化 ≫
・貸金業者は営業所ごとに貸金業務取扱主任者をおくことを義務付けられます。
・貸金業への安易な参入を防ぐために、純資産が5000万円以上必要になります。
・夜間はもちろん、日中であっても、執拗な取り立て行為が禁止されます。
・自殺により貸金業者に保険金が支払われるような保険契約が禁止されます。
・公正証書作成にかかる委任状の取得が禁止されます。
・利息を含めた総返済額を説明した書面の事前交付が義務付けられます。
・連帯保証人に対しては、検索の抗弁権・催告の抗弁権がないことの説明が義務付けられます。
≪ 過剰貸し付けの抑制 ≫
・返済能力を超える貸し付けを禁止するため、貸し付けの総量が規制されます(総量規制の導入)。
・信用情報登録機関の情報を一元化し、借主の借入総額を把握できる仕組みが創設されます。
・1社で50万以上、総額で100万以上の借り入れは、年収等の資料の提出が義務付けされます。
・専業主婦は、配偶者の年収を証する書類や借入に対する配偶者の同意書などが必要になります。
≪ 上限金利の引き下げ ≫
・出資法の上限金利が29.2%から20%へ引き下げられ、20%以上は刑事罰の対象になります。
・利息制限法金利(15%~20%)と出資法金利(20%)との間の金利は行政処分の対象となります。
・保証料も利息と合わせて利息制限法金利を超える設定はできません。
・利息には、債務弁済費用や契約締結費用も含まれることになります。
などです。
バブル崩壊による不景気の影響もあり、これまで長い期間、
貸金業者及びその利用者のトラブルが絶えず、社会問題となっていました。
改正貸金業法の段階的な施行や、一連の最高裁判決の効果により、
現在は終息に向かいつつありますが、借金を原因とする自殺も未だ多く、問題は現在進行形です。
この社会問題をなんとか解決するための貸金業法の改正ですが、
今回の完全施行に先駆け、大手貸金業者はすでに金利を下げていたり、
貸し付けの総量を絞っていたりしていますので、
完全施行によりどこまで効果が出るかは未知数です。
平成18年に貸金業法の改正が決まった時は、
いつ施行されるのかが国会でも大きく問題となりました。
今まさに苦しんでいて、自殺までしてしまう方がたくさんいる状況で、
3年後の完全施行なんて悠長なことを言ってられるのか!と。
当時は現在と比べて借入先が多く、借金も多額の方がたくさんおられました。
取り立ても厳しく、相談中に泣かれる方もたくさんおられました。
ご自身のおかれている状況を初めて正確に把握されて急に恐ろしくなってしまったり、
もう大丈夫ですとお伝えして安心されたりしてです。
「先週自殺未遂をしたんです。。」などと伝えられたケースなど、
時には叱るようなこともありましたので、反省の涙というものもありました。
取り立ての特に厳しかった中小零細の業者は既につぶれており、
遅きに失した感はありますが、とにかくこれで完全施行です。
内容的には借主にも大きく影響を与える抜本的な改正となっております。
細かい点につきましては、個別にお問い合わせください。
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